コラム 『日本映画の玉(ギョク)』 反共プロパガンダ映画を再見する【活字篇】 第3回   Text by 木全公彦
アナタハン
1953年、田口修治は川喜多長政・かしこ夫妻と大沢善夫の要請を受けて、ジョセフ・フォン・スタンバーグが監督した日米合作映画『アナタハン』の監督補佐を務めることになった。よくまあ気難しいという評判のスタンバーグのアシストが務まったものだと感心するが、ニョーヨーク支局長だった頃にアメリカ人相手に対等に渡り合った経験があればこそ務まったのだろう。

左から川喜多長政、スタンバーグ、田口修治


『アナタハン』クリップ