第27回 エリック・ロメール監督の『獅子座』をめぐる人々






 「第15回」でも言及したエリック・ロメール監督のオノレ・デュルフェに基づく最新作『アストレとセラドンの恋』は2006年5月2日にオヴェルニュ地方で撮影に入り、撮影終了予定は7月中旬と報じられたが、今年の7月に公開予定。  製作はレゾ・フィルムのフィリップ・リエジョワとエリック・ロメール社。共同製作はスペインのアルマ・フィルムスとイタリアのBIMディストリビュツィオーネ。

しかし残念ながらおそらくこの最新作が日本で正式公開されることはないだろう。ロメール監督作は傑作『三重スパイ』(2004)でさえも日本未公開だし、ロメール作品常連女優のマリー・リヴィエールとシャルロット・ヴェリ(『冬物語』)の出ている短編『赤い長椅子』(2005)も日本では観る機会がない。

とはいえ幸いにして、日本劇場未公開作を含むほぼすべてのロメール監督作が紀伊國屋書店から発売されているDVDで観ることができる。BOX発売のため買いづらかったが、今続々と単体発売され始めている。

紀伊國屋書店からBOX発売されている『エリック・ロメール・コレクションDVD‐BOX1』に収録されていた『獅子座』(1959‐)のDVDが、1月27日、単品発売された。特典はロメール演出の『ルイ・リュミエール』(DVD題。1968)。

英語圏でも2006年12月4日、英アーティフィシャル・アイで初DVD発売。(レビュ−)特典は紀伊國屋盤と同じ。こちらは2枚組でディスク2には『モンソーのパン屋の女の子』(1962)、『シュザンヌの生き方』(1963)、『パリのナジャ』(DVD題。1964)、『紹介またはシャルロットとステーキ』(DVD題。1951‐60)収録。『紹介またはシャルロットとステーキ』では弱冠20歳のジャン=リュック・ゴダールが主演。

『獅子座』の主演者ジェス・ハーン(1921‐98)は、本名ジェシー・ベリル・ハーン、米国インディアナ州出身の俳優だが、純然たるアメリカ映画には出演していない。もちろん性格俳優であり、『獅子座』は長編では唯一の主演作である。

「第8回」で紹介した、同じく米国出身のエディ・コンスタンティーヌ主演『緑青の女』(未。1953)、『厳しい事態になりそうだ』(未。1955。監督ジョン・ベリー)にも出演しているが、興味深いことに、最後の出演作もTV作品ながら、やはりコンスタンティーヌ主演の『レミー・コーションの帰還』(未。1989。演出ジョゼ・ダヤン)である。ちなみに最後のコーションものは「第12回」で言及したジャン=リュック・ゴダール監督の『新ドイツ零年』(1991)。

  ジェス・ハーンの他の有名な出演作のDVDをいくつか紹介しよう。
ジャン=ポール・ベルモンド、クラウディア・カルディナーレ主演の『大盗賊』(1962。監督フィリップ・ド・ブロカ)のDVDは米国アンカー・ベイから出ている。フランスのステュディオ・カナルからも出ていたが廃盤。

カフカ原作、オーソン・ウェルズ監督の『審判』(1962)のDVDは国内盤がIVCから出ているが画質は悪い。フランスのステュディオ・カナル盤は2枚組特別版、単体盤共に廃盤だが、特別版には、1963年のオリジナル・リリースの118分版(英語音声選択時には仏語字幕強制)に加え、ディスク2に1984年に編集され、冒頭のアレクサンドル・アレクセイエフ(1901‐82)によるピン・スクリーン・アニメを欠いた107分版を収録。特典はアンドレ・S・ラバルト、撮影監督エドモン・リシャール、ジャン=ピエール・モレル、ソフィ・ベッケル出演の記録映画『ウェルズ、カフカ、審判』(30分30秒)、仏版予告編(3分50秒)、削除された無声場面(6分30秒)ほか。特典に英語字幕は付かない。

なお、この映画で有名になったアルビノーニのアダージョは、実際にはアルビノーニの作ではない。イタリアの音楽学者レーモ・ジャゾットが第二次大戦中に発見されたトリオ・ソナタの断片を元に弦楽合奏とオルガンのために作曲したもの。ピーター・ウィア監督の『誓い』(1981)でも用いられた。
『審判』のDVDは米国のマイルストンからも出ている。
ウェルズについてはジャン=ピエール・ベルトメとフランソワ・トマによる『Welles au travail』がフランスのカイエ・デュ・シネマから刊行された。仏語だが、写真満載の豪華本なのでウェルズ・ファン必携。

『審判』各国盤DVD比較レヴュー
『審判』各国盤DVD画像比較
『審判』仏盤DVDレヴュー(仏語)
『Welles au travail』
cahiersducinema.com / boutique-cahiersducinema.com

『アレクサンドル・アレクセイエフ作品集』DVDは2006年7月21日にジェネオンから発売された。収録作は『禿山の一夜』 (1933。8分)、『道すがら』(1944。2分)、『鼻』(1963。11分)、『展覧会の絵』(1972。10分)、『三つの主題』(1980。7分)。

「第25回」「第26回」でも言及した『観られていない映画』DVD‐BOXにもディスク3『光のリズム』に『禿山の一夜』が収録されている。

アレクサンドル・アレクセイエフし資料日本語訳

ジェス・ハーンは、エリック・アンブラー原作(1962年の『真昼の翳』)、ジュールス・ダッシン監督、メリナ・メルクーリ主演の『トプカピ』(1964)にも出ている。『トプカピ』のDVDは、米国MGMほかで発売。撮影はアンリ・アルカン。『トーマス・クラウン・アフェアー』(1999)の続編として撮影予定のピアース・ブロスナン主演『The Topkapi Affair』(2008予定)も同じアンブラーの原作に基づく。レネ・ルッソは出演しない。

ジェス・ハーンは、ジョルジュ・ロトネール監督、リノ・ヴァンチュラ主演の冷戦スパイ映画のパロディ『スパイたち』(未。1964)にも出ている。『スパイたち』のDVDは、仏ゴーモンから発売。FEMISの学生と共にロトネールが語る音声解説付き。売り出し中のミレイユ・ダルクがロトネール監督作に出演したのはこれが2作目。1作目はルイ・ド・フュネス主演の『草葉の陰 Des pissenlits par la racine』(未。1963)。ジェス・ハーンは、ジョゼ・ジョヴァンニが脚本に参加したロベール・アンリコ監督、リノ・ヴァンチュラ、ブールヴィル主演の『男たちの掟』(ビデオ題。1966)、同じくアンリコ監督、リノ・ヴァンチュラとブリジット・バルドー主演の『ラムの大通り』(1971)にも出ている

『男たちの掟』の40周年記念版DVDはフランスのオープニングから出ている(レヴュー)。音楽は、ジョヴァンニ、ヴァンチュラと親しかったフランソワ・ド・ルーベ。DVD特典には、2000年に収録されたアンリコとジョヴァンニ(2004年4月24日没)の撮影裏話(27分)を収録。『ラムの大通り』の国内盤DVDはハピネット・ピクチャーズから2004年に期間限定生産で出ていたが廃盤。

ジェス・ハーンは、ライオネル・ホワイト原作(1953年の『誘拐者たち』)、ヒュバート・コーンフィールド監督(追悼記事 laweekly.com / filmmonthly.com)、マーロン・ブランド主演の『私は誘拐されたい』(1968)にも出ている。『私は誘拐されたい』のDVDは米ユニヴァーサルから発売(レヴュー)。原作は当初スタンリー・キューブリックがハリウッド・デビュー用に狙っていたものだが適わず、結局、キューブリックは同じ原作者の『現金(ゲンナマ)に体を張れ』(1956)を撮る。1929年2月9日、トルコ、イスタンブール生まれのコーンフィールド監督は、2006年6月18日、ロサンゼルスで亡くなった。父親のアルバート・コーンフィールドは20世紀フォックス社の販売担当重役。ヒューバートはフランスで育った後、ペンシルヴェイニア大学を卒業。パリのフォックス支社で広報を担当していたクロード・シャブロルやジャン=リュック・ゴダールとも知り合いだった。コーンフィールドについては『フィルム・クォータリー』誌1962年春号掲載のポール・ウェンドコスと共同のインタヴューをも参照。パリのシネマテークでは、3月2日から4日にかけてコーンフィールド特集上映がある。

スタンリー・クレイマー製作、ヒューバート・コーンフィールド監督の『プレッシャー・ポイント』(未。1962)のDVDは米MGMから出ている。ヒューバート・コーンフィールドの音声解説付き。出演者はシドニー・ポワチエ、ボビー・ダーリン、ピーター・フォーク。ポワチエがクレイマーと組むのは、『手錠のままの脱獄』(1958)に次いでこれが2度目。ちなみに『手錠のままの脱獄』の国内盤DVDはフォックスの「スタジオ・クラシック」シリーズから2月2日発売。ポワチエの映画デビュー作『復讐鬼』(DVD題。1950。監督ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ)の国内盤DVDはフォックスから3月2日に発売。

歌手として有名なボビー・ダーリンは『プレッシャー・ポイント』の憎悪に満ちたネオ・ナチの役でゴールデン・グローブ賞有望若手男優賞を受賞。シドニー・ポワチエは彼が精神病なのかどうかを鑑定する刑務所付き精神科医の役。ピーター・フォークも精神科医の役。撮影監督は『最前線』(1957)、『神の小さな土地』(公開題『真昼の欲情』。1958)のアーネスト・ハラー。彼はコーンフィールド監督の2本の低予算犯罪映画『略奪の道』(未。1957)、『第3の声』(未。1960)の撮影監督でもある。撮影技師はコンラッド・ホール。

『私は誘拐されたい』と『プレッシャー・ポイント』レヴュー

ケヴィン・スペイシーがボビー・ダーリンに扮し自ら監督した『ビヨンドtheシー~夢見るように歌えば』(2004)のDVDはメディアファクトリーから出ている。

ジェス・ハーンは、小さな役ながら、紀伊國屋書店からDVDが出ている『何かいいことないか子猫チャン』(1965。監督クライヴ・ドナー)にも出ている。また紀伊國屋書店からDVDが出ている『ホラー・エクスプレス』(DVD題。1973)のエウヘニオ・マルティン監督、リー・ヴァン・クリーフ主演の怪作『無頼プロフェッショナル』(放映題。1971)にもヴァン・クリーフ率いる強盗団の一員として出演。

『獅子座』でジャン=フランソワに扮するオランダ出身のヴァン・ダウデ(1926年、ハーレム生まれ)は、ジェス・ハーンも出ている、ジーン・ケリー監督・主演の『ハッピー・ロード』(1957)、ビリー・ワイルダー監督の『昼下がりの情事』(1957)、エミール・ゾラ原作(『ごった煮』)、ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の『奥様ご用心』(1957)などへの出演を経て、『獅子座』に続き、ジャン=リュック・ゴダール監督の『勝手にしやがれ』(1960)に出演。その後、フォンス・ラデマケルス(1920年、オランダ、ローゼンダール生まれ)監督のオランダ=西独合作映画『サギの踊り』(未。1966)に出演。オランダの代表的監督であるラデマケルス監督作は、米アカデミー外国語映画賞に輝いた『追想のかなた』(ビデオ題。1986)がビデオ発売されたのみ。

『サギの踊り』のDVDは、オランダのAフィルムから出ている。仏・独・英語字幕付き。主演は、『第七の封印』(1957)、『野いちご』(1957)、『処女の泉』(1960)、『冬の光』(1962)『沈黙』(1962)、『ある結婚の風景』(1974)などイングマル・ベリマン監督作の常連スウェーデン女優グンネル・リンドブロム。共演は『夜の騎士道』(1955)、『いぬ』(1962)、『柔らかい肌』(1964)のジャン・ドサイ。

『フォンス・ラデマケルス監督作品集』DVD‐BOX(12枚組。12枚目の特典ディスクにはラデマケルスについての記録映画収録) a-film.nl / fonsrademakers.nl

ラデマケルス監督の『マックス・ハーフェラール』(未。1976。レヴュー)は、オランダ作家ムルタトゥーリ(1820‐87)による19世紀のベスト・セラー小説の映画化。原作の邦訳は、『マックス・ハーフェラールもしくはオランダ商事会社のコーヒー競売』(めこん、2003)。

ラデマケルス監督の最新作、米=西独=オーストリア合作『薔薇園』(未。1989。レヴュー)はナチス戦争犯罪を裁く法廷の実話に基づき、リヴ・ウルマン、マクシミリアン・シェル、ピーター・フォンダらが出演。撮影はエドガー・ライツのTVシリーズ『故郷』3部作(未。1984‐2003)、カロリーネ・リンク監督の『ビヨンド・サイレンス』(1996)、米アカデミー賞外国語映画賞受賞作『名もなきアフリカの地で』(2001)のゲルノット・ロール。

エドガー・ライツ(1932年生まれ)は、1963年にアレクサンダー・クルーゲと共に映画学院を設立。1971年、ミュンヘンにエドガー・ライツ映画プロダクションを設立。空前絶後の大河作品『故郷』は、ラインラント=プファルツ州フンスリュック郡の一家の目を通じて1919年から2000年までのドイツを描く。原題の「ハイマート heimat」は、ドイツではやった映画のジャンル「故郷映画 heimatfilm」のもじりでもある。1984年公開の『故郷1』(副題は『あるドイツ年代記』)は11話からなり、架空のシャーバッハ村の女性マリア・シモン(マリタ・ブロイアー)の生活を追う。『故郷2』(副題『ある青春の年代記』)は13話からなり、マリアの一番下の息子ヘルマン(『バルトの楽園』にも出ているヘンリー・アーノルト)が、激動の60年代に故郷を離れ、ミュンヘンで作曲家となるという物語。トータルで25時間32分の本作は世界最長の商業映画とみなされている(注1)。『故郷3』(副題『ある時代変動の年代記』)は6話からなり、1989年のヘルマンの故郷への帰還から2000年までを扱う。 *注1)『紅雑誌』に1923年から連載された平江不肖生(1889‐1957)の長編武侠小説『江湖奇侠伝』に基づき。1928年から31年にかけて18部の長編映画に分けて公開され、中国で映画ブームに火をつけた張石川(ジャン・シーチュアン)(1890‐1954)監督の中国武侠映画『紅蓮寺炎上(火焼紅蓮寺)』は、トータル上映時間1620分(27時間)。2220分説もある。ただし一挙上映されたことはない。たびたび映画化されている『火焼紅蓮寺』は、近年では1994年、ツイ・ハーク製作、リンゴ・ラム監督によって『レジェンド・オブ・フォース 激闘飛龍/方世玉・外伝』(ビデオ題)として映画化されている。『レジェンド・オブ・フォース』のDVDはオランダのMo Asiaから出ていたが廃盤。英語・オランダ語字幕付き。米国のPanMediaからも英語字幕付きのDVDが出ている。日本版ビデオは88分だが完全版DVDは104分。

『故郷』3部作について(独語。一部英訳あり)
エドガー・ライツのインタヴュー記事(英語)

『故郷』3部作(1984‐2003)のDVD(15枚組)はドイツのキノヴェルトから2006年11月17日に発売された。トータルで3217分(54時間17分)。

『故郷』3部作DVD‐BOX
『故郷1』(1984。15時間40分。5枚組)独盤DVD
『故郷2』(1992。25時間32分。7枚組)独盤DVD
『故郷3』(2004。11時間19分。6枚組)独盤DVD

『故郷1』の英語字幕付きDVD‐BOX(6枚組。レヴュー)は米国ファセッツから出ているが画質は悪い(DVDビーヴァーのレヴューを参照)。英国タイタン・ヴィデオから良質のDVD‐BOX(6枚組。レヴュー)が出ていたが廃盤。

『故郷1』に関するファセッツの広報情報
『故郷2』タイタン盤DVD‐BOX(7枚組)
『故郷1』ベルギー、リュミエール盤DVD‐BOX
『故郷2』ベルギー、リュミエール盤DVD‐BOX
『故郷3』ベルギー、リュミエール盤DVD‐BOX

ヴァン・ダウデのその他の出演作に、アラン・レネ監督の『薔薇のスタビスキー』(1974)、シドニー・ポラック監督の『ボビー・ディアフィールド』(1977)、クロード・ソーテ監督の『愛を弾く女』(1992)などがある。

『獅子座』でドミニクに扮する美人女優ミシェール・ジラルドン(1938‐75)は、ルイス・ブニュエル監督の『この庭の死』(未。1956)で映画デビュー。『獅子座』の後、アレクサンドル・アストリュック監督の『影の餌食』(未。1961)、ハワード・ホークス監督の『ハタリ!』(1962)などを経て、ロメールの短編『モンソーのパン屋の女の子』に出演。その後、ピエール・カスト監督の『ポルトガルの休暇』(未。1963)などに出演。アントニオ・マルゲリーティ監督のペプルムもの『奴隷商』(1964。レヴュー)ではアラブの神話的英雄アンタラに扮したカーク・モリスとソラヤ王女役で共演。1975年に睡眠薬の過剰服用で亡くなった。『奴隷商』の英語版『砂漠の悪魔対ヘラクレスの息子』の16ミリ・コピーに基づくDVD‐Rはシニスター・シネマで入手可能。「アンタラ物語」は10世紀頃成立したアラブの叙事詩的文学。シャッダードは略奪した女性をはらませた上、奴隷にした。その女性の産んだ私生児がアンタラ。幼少期から怪力を発揮。実の父の奴隷戦士として数々の武勲を立てる。

米イメージ・エンターテインメントから2月13日、レグ・バーク、エットレ・マンニ(テーバイ王アンドロクレス役)主演のヘラクレスもの2本立てDVD発売。英語版。『アトランティス征服』(1963。監督ヴィットリオ・コッタファーヴィ)と『ヘラクレスの怪獣退治』(放映題。1963。監督アントニオ・マルゲリーティ。アントニー・ドーソン名義)収録。『アドヴェンチャー・オブ・ヒーロー』(DVD題。1970。監督アーサー・アラン・シーデルマン)のヘラクレス役で映画デビューしたアーノルド・シュワルツェネガーに影響を与えたボディ・ビルダー、レグ・バークのデビュー作『アトランティス征服』には、『神の小さな土地』のフェイ・スペインもアトランティスのアンティネア女王役で出演。主にTVドラマで活躍した彼女の最後の映画出演は、フランシス・フォード・コッポラ監督の『ゴッドファーザーpartⅡ』(1974)の小さな役。イタリアの「剣とサンダル」もしくは「ペプルム」ものについては「第13回」も参照。

アンドレ・カイヤット監督の『洪水の前』(1954)で知られるポール・ビシリア(1928年7月30日、アルジェ生まれ)という俳優は、『獅子座』ではウィリー役、クロード・シャブロル監督の『いとこ同志』(1959)ではマルク役、ジャック・リヴェット監督の長編第一作『パリは我らのもの』(特殊上映題。1960)ではポール役で出演しているが、伝記的事実は不詳。

日本未公開、未放映、未ソフト化の『パリは我らのもの』のDVDは英国BFIから出ている(レヴュー)。特典はリヴェットの初監督作の短編『王手飛車取り』(1957)。また3月14日にはフランス、MK2からも『パリは我らのもの』のDVD発売。こちらも特典は『王手飛車取り』。ジャック・リヴェット研究用の英語サイトjacques-rivette.comも参照。

『パリは我らのもの』に出ているベティ・シュネデールは、ビリー・ワイルダー監督の『昼下がりの情事』(1957)に小さな役で出ているが、何よりもジャック・タチ監督の『ぼくの伯父さん』(1958)の下宿の娘ベティ役で記憶される。他に、ジョゼ・ジョヴァンニ原作、クロード・ソーテ監督の『墓場なき野郎ども』(1960)、アンドレ・カイヤット監督の『ラインの仮橋』(1960)にも出ている。

ポール・ビシリアの出演作『レクイエム‐鎮魂歌‐』(DVD題。1971。監督ジャン・ロラン)は日本ではコロムビアミュージックエンタテインメントの「REDEMPTION」シリーズからDVDが発売されていたが廃盤。オランダ、アンコール・フィルムズから出ている同作のDVD(3枚組)のディスク2には、ポール・ビシリア・インタヴュー(16分24秒。仏語音声。英語字幕付き)、ディスク3には、改変された3場面が収録されているが、そのうちひとつはビシリアがベッドの娘を追いかける場面(1分28秒)。

『レクイエム‐鎮魂歌‐』各国盤DVD

ジャン・ロラン監督の最高傑作とも言われる『血に濡れた肉唇』(DVD題。1975。日本語記事)にもビシリアが出ている。同作の国内盤DVDもコロムビアミュージックエンタテインメントの「REDEMPTION」シリーズから発売されていたが廃盤。『血に濡れた肉唇』は、オランダのアンコールからDVD(3枚組)が出ている。『呪われたレイプ魔』(DVD題。1973)、『レクイエム‐鎮魂歌‐』、『リビング・デッド・ガール』(DVD題。1983)、『血に濡れた肉唇』の予告編は、アンコール・フィルムの公式サイトで見られる。

フランソワーズ・プレヴォー(1930‐97)は、『獅子座』ではエレーヌ役、『パリは我らのもの』ではテリー・ヨーダン役を演じている。その他、レミー・コーションものの『左利きのレミー』(1960)、ジーン・シバーグ、モリス・ロネ主演の『さよならパリ』(1960)、マリー・ラフォレ主演の『金色の眼の女』(1961)、ソフィア・ローレン主演の『アルトナ』(1963)、ジョルジュ・ロトネール監督、ミレイユ・ダルク主演の『恋するガリア』(1965)などに出演。『恋するガリア』の国内盤DVDはブロードウェイから出ている。バッハのチェンバロ協奏曲第5番第2楽章ラルゴを編曲したスウィングル・シンガーズによるスキャットの主題歌も有名。また彼女は『カイエ』の批評家出身のピエール・カスト(1920‐84)監督の『青春時代』(未。1959)や『恋の実らない季節』(未。1960)や『メルシー・ナテルシア!』(未。1960)、『ポルトガルの休暇』(未。1963)でフランソワーズという女性を演じている。

『王手飛車取り』に俳優として出ているジャック・ドニオル=ヴァルクローズ脚本・台詞の『青春時代』には、ドニオル=ヴァルクローズのほか、ボリス・ヴィアン夫妻、『パリは我らのもの』のジャンニ・エスポジト、ジャン=クロード・ブリアリ、フランソワーズ・ブリオン、『王手飛車取り』のヴィルジニー・ヴィトリ、これが映画初出演のエディット・スコブ、アレクサンドラ・スチュワルトらが出ている。撮影は『夜と霧』(1955。監督アラン・レネ)のギスラン・クロケとサシャ・ヴィエルニ。音楽はジョルジュ・ドルリューとアラン・ゴラゲール、録音は「第15回」で紹介したミシェル・ファノ。『青春時代』の助監督は映画研究者ノエル・バーチ(1932年、サンフランシスコ生まれ)。彼はアンドレ・S・ラバルトと共同で「我らの時代の映画作家」の一編でシャーリー・クラークに関するTV記録映画『ローマは燃えている』(未。1970。55分)、映画史家・映画作家のトム・アンダーセン(1943年、シカゴ生まれ)と共同でブラックリスト映画作家に関する『レッド・ハリウッド』(未。1995。118分。ジョナサン・ローゼンバウムによるレヴュー)を監督している。

バーチとアンダーセンの仏語による共著『ハリウッド・コミュニスト』(1995、新ソルボンヌ(パリ第3)大学出版)

なおジャン・マレー主演の初長編監督作『ポケットの恋』(放映題。1957)の放映を除き、日本公開作のないピエール・カスト監督作のDVDは、フィルム・ド・マ・ヴィから『イースター島の太陽たち』(未。1972)が出ていたが廃盤。フランス=ブラジル=チリ合作の同作の主演はブラジルのシネマ・ノーヴォを代表するスターの一人で、ルイ・グエッラ監督の『良心なき世代』(1962)にも出演したノルマ・ベンゲル。共演はフランソワーズ・ブリオン、ジャック・シャリエ、モリス・ガレル、アレクサンドラ・スチュワルトら。『オルフェ』(2000)、『ゴッド・イズ・ブラジリアン』(映画祭題。2003)の監督カルロス・ヂエギス(1940年、ブラジル生まれ)や、『エレンディラ』(1983)や『三文オペラ/リオ1941』(1986)の監督ルイ・グエッラ(1931年、モザンビーク生まれ)も出演。ブラジル映画についてはルシア・ナジブ編『ニュー・ブラジリアン・シネマ』(プチグラパブリッシング、2006)を参照。またカルロス・ヂエギス著『オルフェ』(角川書店、2000)も参照。

ノンクレジットで『獅子座』のカフェの女性役で映画デビューしたマリー・デュボワは、フランソワ・トリュフォー監督の『ピアニストを撃て』(1960)でレナを演じ、ジャン=リュック・ゴダール監督の『女は女である』(1961)では女主人公アンジェラの女友達役で出演、トリュフォー監督の『突然炎のごとく』(1962)ではテレーズ役を演じた。以後、ロジェ・ヴァディム監督の『輪舞』(1964)、アンリ・ヴェルヌイユ監督の『ダンケルク』(1964)、ロベール・アンリコ監督の『男たちの掟』、ルイ・マル監督の『パリの大泥棒』(1967)などにも出演。マリー・デュボワが1961年に結婚したセルジュ・ルソー(1930年3月13日、オーブ生まれ)は、ジャン・ギャバン主演のメグレもの『メクレ警視/サン・フィアクル殺人事件』(DVD題。1959。監督ジャン・ドラノワ)以後、何本かの映画に出ている。ジャン・ギャバンと『ボヴァリー夫人』(1933)のヴァランティーヌ・テシエが共演した『サン・フィアクル殺人事件』のDVDは竹書房から出ている。

トリュフォー監督作では小さな役ながら、ウィリアム・アイリッシュ原作の『黒衣の花嫁』1968)、『夜霧の恋人たち』(1968)、『緑色の部屋』(1978)に出演。ルース・レンデル原作、クロード・シャブロル監督の『沈黙の女・ロウフィールド家の惨劇』(1995)にもほんの少しだけ登場する。セルジュ・ルソーは1960年、友人のジェラール・ルボヴィチ(1932‐84)を映画関係者のエージェントになるよう薦め、1968年には俳優をやめルボヴィチとミシェール・メリツと共にエージェントとなり、1972年、総合映画エージェント、アールメディアを設立。同社はイザベル・アジャーニ、ファニー・アルダン、ミウミウ、ジェラール・ドパルデュー、ナタリー・バイユ、サンドリーヌ・ボネール、アンドレ・デュソリエらと契約した。1992年、アールメディアをやめ、エージェント会社シネアールに移った。

ジェラール・ルボヴィチは、『スペクタクルの社会』(ちくま学芸文庫)のギ・ドボール(1931‐94)の映画の製作者としても知られる。ドボールの映画はルボヴィチが殺された1984年以後、本人により上映禁止されていたが、2005年の回顧上映に際し、未亡人のアリス・ドボールとオリヴィエ・アサヤスの協力により全作品が『ギ・ドボール映画全作品』DVD‐BOX(3枚組)がゴーモンから発売された。

ジャン=フランソワ・ロジェ「歴史の思考の最期-ギー・ドゥボールとシチュアシオニストの映画」日本語訳

ここで「第0回」で紹介したDVDビーヴァーの2006年DVDトップ10を紹介しておく。

1『エリック・ロメールの六つの教訓話』DVD‐BOX(6枚組)(米クライテリオン)
2『サタンタンゴ』(映画祭題。1994。監督タル・ベーラ)(英アーティフィシャル・アイ)
3『ふたりのベロニカ』(2枚組み特別盤)(1991。監督クシシュトフ・キエシロフスキ)(米クライテリオン)
4『さすらいの二人』(1976。監督ミケランジェロ・アントニオーニ)(ソニー)
5『七人の侍』(1954。監督黒澤明)(米クライテリオン)
6『成瀬巳喜男 第1巻』DVD‐BOX(『めし』『山の音』『流れる』)(3枚組)(英Moc)
7『マックス・オフュルス古典4作品』(『たそがれの女心』『快楽』『レックレス・モメント』『忘れじの面影』)(英セカンド・サイト)
8『暗殺の森』(1970。監督ベルナルド・ベルトルッチ)(パラマウント)
9『Mr. Arkadin完全版』(3枚組特別盤)(未。1955。監督オーソン・ウェルズ)(米クライテリオン)
10『晩春』(1949。監督小津安二郎)(米クライテリオン)

ジョナサン・ローゼンバウムのトップ10

1『リュック・ムレ6作品』DVD‐BOX(『ブリジットとブリジット』『密輸業者たち』『ビリー・ザ・キッドの冒険』『カップルの解剖学』『食事の起源』『パルパイヨン』)(仏ブラックアウト)
2『スティーヴン・ドウォスキン14作品』(5枚組)(仏RenardFilms)
3『あなたの微笑みはどこに隠れたの?』(2001。監督ペドロ・コスタ)(ポルトガルAssirio&Alvin)
4『カンタベリー物語』(未。1944。パワエル&プレスバーガー)(米クライテリオン)
5『マルティン・アーノルト:映画強奪』(「強迫反復三部作『細工された断片 Piece touchee』『移行する行為 Passage a l'acte』『アローン、二人の青春 Alone, Life Wastes Andy Hardy』)(オーストリアIndex/Re:Voir)
6『赤と白』(未。1967。監督ミクローシュ・ヤンチョー)(英セカンド・ラン)
7『バスター・キートン短編全集』DVD‐BOX(4枚組)(英MoC)
8『ミシェル・ブロー作品集1958‐1974』DVD‐BOX(5枚組)(カナダ国立フィルム・ボード)
9『パリは我らのもの』(特殊上映題。1960。監督ジャック・リヴェット)(英BFI)
10『牡蠣の王女』+『男だったら』)(1919。監督エルンスト・ルービッチュ)(米キノ)

アニメ史家のフレッド・パットン(1940年生まれ)は紀伊國屋書店のDVDを2点選んでいるので、ついでに紹介しておく。

1『セリーヌとジュリーは舟で行く』(1974。監督ジャック・リヴェット)(英BFI)
2『さすらいの二人』(1976。監督ミケランジェロ・アントニオーニ)(ソニー)
3『デュエル』+『ノロワ』(2枚組)(未。1976。監督ジャック・リヴェット)(仏Aventi)
4『モーゼとアロン』(1975。監督ストローブ=ユイレ)(紀伊國屋書店)
5『二つの考えのあいだの沈黙』(未。2003。監督ババク・パヤミ)(伊サン・パオロ)
6『奇妙なX夫人』(未。1951。監督ジャン・グレミヨン)(仏ルネ・シャトー)
7『パリは我らのもの』(特殊上映題。1960。監督ジャック・リヴェット)
8『成瀬巳喜男 第1巻』(『めし』『山の音』『流れる』)(英MoC)
9『今日から明日へ』(1997。監督ストローブ=ユイレ)(紀伊國屋書店)
10『エッセンシャル・アートハウス‐ジェイナス・フィルムズの50年』DVD‐BOX(50枚組)(米クライテリオン)

ちなみに英マスターズ・オヴ・シネマ(MoC)の2006年年間DVD賞の第1位も『エリック・ロメールの六つの教訓話』DVD‐BOX(6枚組。レヴュー)(米クライテリオン)。

・「第8回」の追加情報

顧長衛(クー・チャンウェイ)監督、張静初(チャン・チンチュー)主演の『孔雀』(2005)が2月17日から渋谷Q‐AXシネマで公開。

2004年に来日公演も行ったフィンランドのアコーディオンの鬼才キンモ・ポーヨネン(1964年生まれ)とパーカッショニストのサムリ・コスミネンはチャン・チンチュー主演の『玉戦士』のための音楽で2006年度ユッシ賞最優秀映画音楽賞を受賞。『王戦士』のDVD(北京語)は2006年11月2日、北京威翔音像出版から出ている。北欧盤DVDは4月24日、ワーナーから発売予定。

馮小剛(フォン・シャオガン)監督の中国版ハムレット『女帝 エンペラー』(2006)は6月、全国東宝洋画系でロードショー予定。章子怡(チャン・ツイー)、周迅(ジョウ・シュン)らが出演。『女帝 エンペラー(夜宴)』のDVDは香港のメガ・スター、中国の広東音像出版社から出ている。字幕は中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、英語。特別版は2枚組で特典ディスクにはメイキングほか収録。
韓国盤(2枚組)はHBエンターテインメント・コリアから出ている。字幕は韓国語、英語。広東音像出版社から出た『女帝 エンペラー』限定コレクターズDVD‐BOXは、本編DVD、特典DVD、主題歌と挿入歌3曲が収録されたCDのほか、以下の封入特典を木製ボックスに収納。越女剣フィギュア、出演者サイン入り限定カード6枚、限定ポスター4枚、監督サイン入りポスター、ブックレット(44頁)、証明書。

・「第14回」の追加情報

『キッスで殺せ』(1955)、『危険な場所で』(1951)の脚本を手がけたA・I・ベゼリデス(発音はベゼアリディース)が2007年1月1日、カリフォーニア州ウッドランド・ヒルズの映画・TV病院で亡くなった。享年98。娘のゾー・オールZoe Ohlと息子のピーターがそれぞれ公にした。ゾーによると、他に娘1人(レイチェル・モーガン)、孫娘1人、曾孫が4人いるという。

トルコのサムスンで生まれたのは1908年8月9日。母はアルメニア人、父はギリシャ語を話すトルコ人だった。2歳の時、両親と共に米国へ移住、フレスノに住んだ。父は果実行商人で、後にトラックの長距離運転手となった。ベゼリデスは一男一女をもうけた最初の妻イヴォンヌ・ヴォン・ゴーンYvonne Von Gorneと別れた後、フリッツ・ラング監督の『扉の影の秘密』(1947)、キング・ヴィドア監督の『ルビイ』(1952)などの映画・TV脚本家シルヴィア・リチャーズと再婚、1999年に彼女が亡くなるまで一緒だった。

・「第16回」の追加情報

日本でもビターズ・エンドが配給予定のオタール・イオセリアーニ監督最新作『秋の庭』(仮題。2006)のDVDがフランスのカルロッタ・フィルムから3月20日発売。

・「第22回」の追加情報

今年はエルンスト・ルービッチュ(1947年11月30日没)没後60年にあたるが、「第22回」で『王室の醜聞』という日本語表記で言及した、エルンスト・ルービッチュ、オトー・プレミジャー監督の日本未公開作『ロイヤル・スキャンダル』(1945)がWOWOWで3月17日放映。ルービッチュのアメリカ時代初期の名作で、ポーラ・ネグリ(1987年8月1日没なので今年は没後20周年)が女帝エカテリーナ二世に扮した『禁断の楽園』(1924)のリメイク。『ロイヤル・スキャンダル』で女帝エカテリーナ二世に扮するのは『救命艇』(DVD題。1944。監督アルフレッド・ヒッチコック)のタルーラ・バンクヘッド。

やはりルービッチュ監督作として製作されたが、ルービッチュの死去にともないプレミンジャーが完成させた『アーミン毛皮の貴婦人』(未。1948。紹介記事)のDVDは、スペインのシャーロック・フィルムスの「エルンスト・ルービッチュ・コレクション」から2006年12月12日に出た。『青髭八人目の妻』(1938。紹介記事)は2006年12月1日発売。『君とひととき』(1932。紹介記事)、『百万円貰ったら』(1932。紹介記事)は2月20日発売。

近年、アンソニー・マン、ロバート・ワイズなど興味深い映画作家の特集上映で注目されるサン・セバスチャン映画祭は第54回の昨年、エルンスト・ルービッチュを特集した。ジョン・フォードの本格的伝記『伝説を印刷しろ』(サイモン&シュスター、1999)、『ハリウッドの獅子:ルイ・B・メイヤーの生涯と伝説』(サイモン&シュスター、2005)などの著書で知られる、『パーム・ビーチ・ポスト』紙」の書評担当者スコット・エイマン(1983年、オハイオ州クリーヴランド生まれ)の『エルンスト・ルービッチュ:楽園の笑い』(ジョンズ・ホプキンス大学出版。1993)に基づく、スペイン語・英語の二か国語の豪華カタログ『エルンスト・ルービッチュ』も刊行。なおエイマンは、日本盤も出ている『荒野の決闘』(1946)特別版DVD(2枚組)や、米クライテリオン盤『極楽特急』(1932)、2006年6月6日に出た北米ワーナー盤『駅馬車』特別版(2枚組)、米『ウィル・ロジャース・コレクション第1巻』収録の『周遊する蒸気船』(1935)の音声解説も行っている。

北米ワーナー盤『駅馬車』(レヴュー)は、『ジョン・ウェイン/ジョン・フォード・コレクション』DVD−BOX(8枚パック。レヴュー)にも収録。同BOXの収録作は、『三人の名付親』(1948)、『アパッチ砦』(1948)、『果てなき船路』(1940)、『捜索者アルティメット・コレクターズ・エディション』(1956)、『黄色いリボン』(1948)、『駅馬車』(1939)、『コレヒドール戦記』(1945)、『荒鷲の翼』(1957)。このうち『捜索者アルティメット・コレクターズ・エディション』のみ『捜索者スペシャル・エディション』(2枚組)として国内盤が出ている。

サン・セバスチャン映画祭のエルンスト・ルービッチュ特集情報

『エルンスト・ルービッチュ:楽園の笑い』
『ハリウッドの獅子』
『極楽特急』クライテリオン盤DVDレヴュー
『荒野の決闘』20世紀フォックス盤DVDレヴュー
『ウィル・ロジャース・コレクション第1巻』DVD−BOX20世紀フォックス盤レヴュー

・「第26回」の追加情報

「第26回」でジョン・フォード監督の『周遊する蒸気船』のDVDについて触れたが、フランスのオープニングから『ジョン・フォードDVD−BOX』(3枚組)が2月21日発売。収録作は『栄光何するものぞ』(1952)、『四人の復讐』(1938)、『周遊する蒸気船』(1935)。

『四人の復讐』は、免職された上暗殺された軍人の父の汚名をそそぐため、世界各地に散った四兄弟が力を合わせるという物語。四兄弟に扮するのは、リチャード・グリーン、ジョージ・サンダース、デイヴィッド・ニーヴン、ウィリアム・ヘンリー。リチャード・グリーン扮する次男の恋人役がロレッタ・ヤング。ノンクレジットでウィリアム・フォークナーも脚本に参加。