第22回 エルンスト・ルービッチュ、オトー・プレミンジャー、ロバート・ミッチャム














今回はまず喜劇映画の巨匠エルンスト・ルービッチュ関連のDVDを紹介する。フランスのBACヴィデオから11月23日にルービッチュ監督、ギャリー・クーパー主演の『生活の設計』(1933)、『百万円貰ったら』(1932)、『青髭八人目の妻』(1938)のDVD発売。すべてHDニュー・マスター。『百万円貰ったら』の監督はジェイムズ・クルーズほか8人で、ルービッチュはその一人。

『生活の設計』は米ユニヴァーサルの『ギャリー・クーパー・フランチャイズ・コレクション』DVD−BOXに収録。他の収録作は『永遠に愛せよ』(1935。監督ヘンリー・ハザウェイ)、『ベンガルの槍騎兵』(1935。監督ヘンリー・ハザウェイ)、『将軍暁に死す』(1936。監督ルイス・マイルストン)、『ボー・ジェスト』(1939。監督ウィリアム・A・ウェルマン)。

クーパーといえば、『ギャリー・クーパー・シグネチャー・コレクション』DVD−BOX(6枚組。レヴュー dvdbeaver.com /dvdtimes.co.uk )が米ワーナーから11月7日に出た。収録作は『ヨーク軍曹』(1941。監督ハワード・ホークス。レヴュー)、『摩天楼』(1949。監督キング・ヴィドア。レヴュー)、『ダラス』(1950。監督スチュアート・ハイスラー)、『スプリングフィールド銃』(1952。監督アンドレ・ド・トス)、英=米合作映画『メリー・ディア号の難破』(1959。監督マイケル・アンダーソン)。バラ売りもある『ヨーク軍曹』は特別版の2枚組で、映画史家ジーニン・ベイシンガーの音声解説が付く。ディスク2には新たに作られた記録映画『ヨーク軍曹:神と祖国の人』とリチャード・シッケル監督、クリント・イーストウッドが案内役の『ギャリー・クーパー:アメリカ的生活、アメリカ的伝説』(未。1991)を収録。ベイシンガーはフォックスから日本盤も出ている、オトー・プレミンジャー監督の出世作『ローラ殺人事件』(1944)の<特別編>DVDでも音声解説を担当。

『生活の設計』、『将軍暁に死す』、『ボー・ジェスト』、クーパーとディートリヒ共演の『モロッコ』(1930。監督ジョーゼフ・フォン・スタンバーグ)の国内盤DVDはいずれもジュネス企画から出ている。『摩天楼』のDVDも2月26日発売。このメーカーのDVDは、原版の出自その他に疑惑が残るので推奨できないのだが。

ルービッチュ晩年の企画『王室の醜聞』(未。1945)は、ラヨシュ・ビーロー原作、ルービッチュ監督の『禁断の楽園』(1924)のリメイクだが、途中からオトー・プレミンジャーが演出。『小間使』(1946)はルービッチュの単独での最後の監督作となった。『あのアーミン毛皮の貴婦人』(未。1948)の撮影36日目でルービッチュは急死、完成作の監督はプレミンジャー名義である。紀伊國屋書店から発売のDVD『ルービッチュの小間使』封入リーフレットを参照。

ドイツのウニフェルズム・フィルムスから『ハリウッド・ハイライツ1』喜劇編と題してルービッチュおよびプレミンジャーの『小間使』、『あのアーミン毛皮の貴婦人』の2作品を収録したDVD(2枚組)が9月25日に発売。ちなみに同時発売の『ハリウッド・ハイライツ2』はスリラー編で、ヘンリー・ハザウェイ監督、ジェイムズ・スチュアート主演の『出獄』(1948)、ノエル・ブラック監督、アンソニー・パーキンス主演の『かわいい毒草』(1968)を収録。『ハリウッド・ハイライツ3』は西部劇編で、フリッツ・ラング監督、ロバート・ヤング・ランドルフ・スコット主演の『西部魂』(1941)、ラウール・ウォルシュ監督、クラーク・ゲイブル主演の『たくましき男たち』(1955)を収録。

スペインのシャーロック・フィルムスは「コレクション・エルンスト・ルーヴィッチュ」として11月28日、『青髭八人目の妻』のDVDを発売。続いて12月12日に『生活の設計』『あのアーミン毛皮の貴婦人』のDVDを発売。

11月20日にはドイツのウニフェルズムからエルンスト・ルービッチュの無声映画のDVD−BOX『エルンスト・ルービッチュ・コレクション』(6枚組)発売。収録作は『デセプション』(1920)、『牡蠣の王女』(1919)、『山猫リシュカ』(公開題『山猫ルシカ』。1921)、『男だったら』、『寵姫ズムルン』(1920)。『山猫リシュカ』のDVDは2005年6月6日にイタリアのエルミタージュからも出ている。 12月5日には、米キノ・オン・ヴィデオから「ベルリンのルービッチュ」と題し、上記の無声映画のDVDが発売される。『牡蠣の王女』(1919。特典『男だったら』)、『寵姫ズムルン』(1920)、『デセプション』(1920)、『山猫リシュカ』(1921)の4タイトル。

  このほか、ルービッチュの初期監督作では、エミール・ヤニングス、ポーラ・ネグリ主演の『呪の眼』(1918)のDVDが米アルファから出ている(アルファ盤レヴュー)。中間字幕は英語。57分。グレイプヴァイン盤DVD−Rと同一素材と思われる。

ルービッチュの弟子にあたるオトー・プレミンジャーが亡くなったのは1986年4月23日。今年は没後20年にあたる。なお、彼がヴィーンに生まれたのは1905年12月5日。昨年は生誕100周年だった。1906年生まれとするデータも広く流布しているが、どうやら1905年が正しいようだ。プレミンジャーの初期のキャリアについては日本ではあまり知られていない。紀伊國屋書店から発売されている『フィルム・ノワール傑作選』DVD−BOX収録の『歩道の終わる所』(1950)の封入リーフレットを参照。米ワーナー盤『枢機卿』(1963)特別版DVDの特典ディスク収録のヴァレリー・A・ロビンズ監督の記録映画『プレミンジャー:ある映画監督の分析』(1991)は、進行役にバージェス・メレディスを起用し、プレミンジャーの半世紀におよぶ経歴を紹介するものだが、なぜか出世作『ローラ殺人事件』(1944)を除くフィルム・ノワールへの言及がほとんどない。しかしプレミンジャー研究書を準備中の映画研究者クリス・フジワラが指摘するように、今やプレミンジャーの代表作は一連の低予算フィルム・ノワールだとする批評家も多い。

クリス・フジワラによるプレミンジャー紹介記事
クリス・フジワラによる『枢機卿』キャプチャー画面
クリス・フジワラによる『堕ちた天使』(放映題。1945)、『うずまき』(未。1949)、『歩道の終わる所』、『カルメン』(1954)の英盤DVDレヴュー
クリス・フジワラ編集の国際映画批評家連盟(Fipresci)のウェブ雑誌「アンダーカレント」
同誌第3号掲載のミゲル・マリアスによるプレミンジャー小論。マリアスは「第18回」で紹介。

プレミンジャーがナチの悪役で俳優として出演している、ボブ・ホープ主演の『腰抜けスパイ騒動』(ビデオ題。1942)のDVDは、米HBOから出ていたが廃盤。 プレミンジャーの初期監督作は、フランスのゴーモン・コロンビア・トライスターからDVDが出ている。『危険、勤務中の愛』(未。1937)、『誤差の余地』(未。1943)、『王室の醜聞』(未。1945)。舞台に基づく『誤差の余地』でプレミンジャーはやはりナチの悪役を演じている。『危険、勤務中の愛』のDVDは英BFIからも出ている。(英盤レヴュー)

ルービッチュのもう一人の高弟ともいうべきビリー・ワイルダーは1906年6月22日にガリチア地方のスハ(現ポーランド)で生まれたので、今年は生誕100年にあたる。ワイルダーの初監督作『悪い血』(1934)のDVDは米イメージ・エンターテインメントから出ている。彼のハリウッドでの初監督作の『少佐と少女』(放映題。1942)と『熱砂の秘密』(1943)収録の『ビリー・ワイルダーDVD−BOX』(2枚組)がフランスのGCTHV(ゴーモン=コロンビア・トライスター)から11月7日に発売された。

『少佐と少女』のDVDは英ユニヴァーサルの『ジンジャー・ロジャース・スクリーン・ゴッデス・コレクション』DVD−BOXにも収録。他の収録作は『コンチネンタル』(1934。監督マーク・サンドリッチ)、『トップ・ハット』(1935。監督マーク・サンドリッチ)、『ママは独身』(放映題。1939。監督ガーソン・ケイニン)、『It Had To Be You』(未。1947。監督ドン・ハートマン、ルドルフ・マテ)、『消された証人』(DVD題。1955。監督フィル・カールソン)。  アステア=ロジャースのDVDは、米ワーナーから10月24日に出た『アステア&ロジャース:アルティメット・コレクション』(11枚組。レヴュー)に止めを刺すだろう。収録作は、『空中レヴュー時代』(1933) 、『コンチネンタル』 (1934)、『ロバータ』(1935) 、『トップ・ハット』(1935) 、『艦隊を追って』(1936) 、『有頂天時代』(1936) 、『踊らん哉』(1937) 、『気儘時代』(1938) 、『カッスル夫妻』(1939) 、『ブロードウェーのバークレー夫妻』(1949) 。特典ディスクにはこのDVDのための記録映画『Astaire and Rogers Partners in Rhythm』(2006)を収録。

ジンジャー・ロジャース公式サイト。邦訳が出たばかりの『フレッド・アステア自伝』(青土社)も併せて一読をお勧めする。

また英ユニヴァーサルから11月27日発売の『ビリー・ワイルダーBOXセット』(4枚組)DVD−BOXには、『少佐と少女』のほか、『深夜の告白』(1944)、『失われた週末』(1945)、『異国の出来事』(放映題。1948)を収録。

マルレーネ・ディートリヒ出演作のDVDは「第11回」で仏ユニヴァーサル盤と米ユニヴァーサル盤を紹介したが、ビリー・ワイルダー監督の『異国の出来事』のDVDはスペインのスエビア・フィルムスから12月11日に発売。同時に『少佐と少女』『熱砂の秘密』のDVDも出る。

英ユニヴァーサルから8月28日に発売された『マルレーネ・ディートリヒ・スクリーン・ゴッデス・コレクション』(6枚組。レヴュー)には、『上海特急』(1932。監督ジョーゼフ・フォン・スタンバーグ)、『ブロンド・ヴィナス』(1932。監督スタンバーグ)、『スペイン狂想曲』(1935。監督スタンバーグ)、『砂塵』(1939。監督ジョージ・マーシャル)、『淑女の求愛』(1942。監督ミッチェル・ライセン)、『異国の出来事』が収録されている。 

ところで同じ英ユニヴァーサルから11月27日発売の『マルレーネ・ディートリヒ映画コレクション』DVDセット(18枚組。レヴュー)は、さらに大規模なDVDコレクション。『スクリーン・ゴッデス・コレクション』のうち、『淑女の求愛』を除く5作を収録。さらに、ほかの収録作は、以下の通り。『モロッコ』(1930。監督スタンバーグ)、『間諜X27』(1931。監督スタンバーグ)、『恋の凱歌』(1933。製作・監督ルーベン・マムーリアン)、『恋のページェント』(1934。監督スタンバーグ)、『真珠の頚飾』(1936。監督フランク・ボーゼイジー)、『天使』(1937。監督エルンスト・ルービッチュ)、『妖花』(1940。監督テイ・ガーネットイ・ガーネット)、『焔の女』(1941。監督ルネ・クレール)、『男性都市』(1942。監督ルイス・セイラー)、『スポイラース』(1942。監督レイ・エンライト)、『フォロー・ザ・ボーイズ』(未。1944。監督エドワード・サザーランド)、『黄金の耳飾り』(放映題。1947。監督ミッチェル・ライセン)、『黒い罠』(1958。監督オーソン・ウェルズ)。ルービッチュ監督の『天使』、およびルービッチュ製作、フランク・ボーゼイジー監督の『真珠の頚飾』はおそらくこれが初DVD化。共に必見の名作。

『皇帝円舞曲』(1948)はテイ・ガーネット監督の『夢の宮廷』(1949)収録の『ビング・クロスビー・コレクション2本立て』DVDは米ユニヴァーサルから出ている。国内盤DVDはジュネス企画から出ている。ジュネスからはフリッツ・ラング監督、ディートリヒ主演の『無頼の谷』(1952)DVDも12月25日に発売。

『ビング・クロスビー・スクリーン・レジェンド・コレクション』DVD−BOXが米ユニヴァーサルから11月14日に発売。収録作は『ワイキキの結婚』(1937。監督フランク・タトル)、『ダブル・オア・ナッシング』(未。1937。監督シオドア・リード)、『歌は星空』(1939。監督デイヴィッド・バトラー)、『我が道を見つけたら』(未。1940。監督デイヴィッド・バトラー)、『ほら、波が来る』(未。1944。監督マーク・サンドリッチ)。

2007年はロバート・ミッチャム(1917年8月6日生まれ。1997年7月1日没)の生誕90周年、没後10周年にあたる。またミッチャムのデビュー・アルバム『Calypso-Is Like So』の発売50周年でもある。同アルバムのCDは英Rev-Olaから2003年3月24日に発売(CR REV 26)。

『Calypso-Is Like So』 317x.com / cduniverse.com

ミッチャムの本名はロバート・チャールズ・ダーマン・ミッチャム。母親はノルウェー移民、父親は、スコットランドとアイルランドのクウォータで、ブラックフット・インディアンのハーフ。父はロバートが1歳の時、事故で亡くなった。母は1990年に96歳で亡くなった。紀伊國屋書店からDVDが出ているカルト・ムーヴィー『狩人の夜』(1955)は今なお世界中で熱狂的な人気を誇る。この映画の背景をまとめた400頁の書籍、プレストン・ニール・ジョーンズ著『対戦相手の天国と地獄:《狩人の夜》の撮影』(Limelight Editions,2002。書評日本語記事)は興味深い。またBFIの「BFI映画クラシックス」の1冊としてサイモン・カロウ著『狩人の夜』(2000)も出ている。

日本未公開のプレミンジャーがRKOで撮ったミッチャム主演のフィルム・ノワール『天使の顔』の初の北米盤DVDがついに登場する。  2007年1月6日に米ワーナーから発売の『ロバート・ミッチャム・シグナチャー・コレクション』DVD−BOXに『天使の顔』も収録される。ほかの収録作は、『マカオ』(1952。監督ジョーゼフ・フォン・スタンバーグ)、『肉体の遺産』(1959。監督ヴィンセント・ミネリ)、『サンダウナーズ』(1960。監督フレッド・ジンネマン)、『悪党谷の二人』(1969。監督バート・ケネディ)、『ザ・ヤクザ』(1974。製作・監督シドニー・ポラック、製作総指揮・俊藤浩滋)。

『ザ・ヤクザ』の原作者のレナード・シュレイダーは2006年11月2日に亡くなった。享年62。日本映画『男はつらいよ・寅次郎春の夢』(1979)の脚本、『太陽を盗んだ男』(1979)の原案・脚本、『ションベン・ライダー』(1983)の原案も担当している。またマヌエル・プイグ(1932−90)原作の『蜘蛛女のキス』(1985)では脚本を担当、プイグ原案の『ネイキッド・ダンス』(1990)では脚本・監督を手がけた。映画監督・脚本家のポール・シュレイダーは実弟。

RKO作品の『天使の顔』と『マカオ』はフランスのエディシオン・モンパルナス、スペインのマンガ・フィルムス、イタリアのコロンビア・トライスターなどでDVD化されていたが、他は初DVD化。『天使の顔』はドイツのキノヴェルト・ホーム・エンターテインメントからもDVDが出ている。

RKO作品のミッチャム出演作では、米ワーナーの『フィルム・ノワール古典コレクション第1巻』(5枚組)に、『過去を逃れて』(DVD題。1947。監督ジャック・ターナー。米盤レヴュー)収録。ほかの収録作は『アスファルト・ジャングル』(1950。監督ジョン・ヒューストン)、『拳銃魔』(1949。監督ジョーゼフ・H・ルイス)、『ブロンドの殺人者』(ビデオ題『さらば愛しき女よ』。1944。監督エドワード・ドミトリク)、『罠』(1949。監督ロバート・ワイズ)。バラ売りもあり。「第21回」で紹介した『フィルム・ノワール古典コレクション第2巻』(5枚組)には、『十字砲火』(1947。監督エドワード・ドミトリク)を収録。ほかの収録作は『生まれながらの殺し屋』(ビデオ題。1947。監督ロバート・ワイズ)、『熱い夜の疼き』(放映題。1952。監督フリッツ・ラング)、『犯罪王ディリンジャ』(1945。監督マックス・ノセック)、『その女を殺せ』(ビデオ題。1952。監督リチャード・フライシャー)。

「第9回」「第14回」で紹介した『フィルム・ノワール古典コレクション第3巻』(6枚組)には、『替え玉殺人計画』(放映題。1951。監督ジョン・ファロウ、リチャード・フライシャー)、『脅迫者』(1951。監督ジョン・クロムウェル、ニコラス・レイ)収録。

その他、フランスのエディシオン・モンパルナスからは、『過去を逃れて』、ロバート・ワイズ監督のノワール西部劇『月下の銃声』(1948)、メキシコを舞台にしたフィルム・ノワール『仮面の報酬』(1949。放映題。監督ドン・シーゲル)、エヴァ・ガードナー共演の『禁じられた過去』(放映題。1951。監督ロバート・スティーヴンソン)のDVDが出ている。ノーマン・フォスター監督、ロレッタ・ヤング、ウィリアム・ホールデン主演の西部劇『荒原の女』(1948)のDVDは2006年10月4日に出た。『荒原の女』は1948年夏に撮影されたが、ミッチャムがマリワナ不法所持で8月31日に逮捕されたため、翌年1月の公判の直前まで公開が延びた。

スペインのマンガ・フィルムスからは、『十字砲火』、『過去を逃れて』、『月下の銃声』、『仮面の報酬』、『替え玉殺人計画』、『脅迫者』、『マカオ』、『零号作戦』(1952。監督テイ・ガーネット)、『天使の顔』、『第二の機会』(1953。監督ルドルフ・マテ)のDVDが出ている。

ちなみに「第2回」では触れなかったが、スエビア・フィルムスからは、リチャード・フライシャー監督、ミッチャム主演の西部劇『叛逆者の群れ』(1956)のDVDが出ている。

イタリアのコロンビア・トライスター(ソニー・ピクチャーズ)からは、『十字砲火』、『過去を逃れて』、『荒原の女』、『月下の銃声』、『仮面の報酬』、ドン・ハートマン監督、ジャネット・リー主演の喜劇『ママの青春』(1949)、『禁じられた過去』、『替え玉殺人計画』、『脅迫者』、『マカオ』、『天使の顔』、『第二の機会』、ロイド・ベイコン監督、ジーン・シモンズ、アーサー・ハニカット共演の『セラーズ先生今日は』(放映題。1954)のDVDが出ている。忘れられたクリスマス物語『ママの青春』の撮影は、フリッツ・ラング監督の『飾窓の女』(1944)、『緋色の街〜スカーレット・ストリート』(1945)のミルトン・クラズナー。

ロバート・ワイズ監督、ロバート・ミッチャム、シャーリー・マクレイン共演の『すれ違いの街角』(放映題。1962)のDVDは、英MGMから出ている(英盤レヴュー)。アーサー・ペン演出、ヘンリー・フォンダとアン・バンクロフト(ブロードウェイ・デビュー)共演の同名舞台(1958)の映画化。製作者ウォルター・ミリッシュは、ビリー・ワイルダー脚本・監督、ジャック・レモン、シャーリー・マクレイン共演の『アパートの鍵貸します』(1960)の路線を狙い、『ウェスト・サイド物語』(1961)の監督ワイズを起用した。原作者ウィリアム・ギブソン(1914年、ニューヨーク生まれ)は、ヘレン・ケラーを扱った『奇跡の人』(1962。英語サイト)の原作戯曲(1959年初演)の作者でもある。クリフォード・オデッツの『ゴールデン・ボーイ』(1937)のオール黒人ミュージカル版(1964。演出アーサー・ペン、主演サミー・デイヴィス・ジュニア)の台本も執筆。また同作DVDはスペインの20世紀フォックス「スタジオ・クラシックス」の1本として12月13日に出る(スペイン版DVD情報)

ジュネス企画からはラウール・ウォルシュ監督、ミッチャム主演のノワール西部劇『追跡』(1947)のDVDが12月25日発売。マーティン・スコセッシ提供の『追跡』のDVDは米リパブリック・ピクチャーズからも出ている。

・「第19回」追加情報

アテネ・フランセ文化センターの「特集ストローブ=ユイレの軌跡1962−2006」で、『あの彼らの出会い』(2006)が上映される。(記事)
12月9日午後8時から特別講演会「映画作家ストローブ=ユイレ44年−ダニエル・ユイレ監督を追悼して」と題し浅田彰の講演あり。

・「第16回」追加情報

『ジェニン、ジェニン』(特殊上映題。2002)の監督モハマッド・バクリが12月9日午後6時から、一人芝居『悲観楽観のサイード』を明治学院大で演じる。入場無料だが、公演脚本のテクスト代実費1500円。原作はエドワード・サイードが「パレスチナ文学の最高傑作」と呼んだエミール・ハビービの長編小説『悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事』(作品社より近刊)。サイード(幸せな男)という名のありふれたパレスチナ人男性を主人公にイスラエル建国から70年代の中東戦争頃までのパレスチナの現実をシニカルに描く。

『ジェニン、ジェニン』と、その後のバクリの孤軍奮闘を描く記録映画『あなたがいなくなって以来』(2005)は10日正午から無料上映。午後3時からバクリ、臼杵陽(日本女子大)、田浪亜央江(アラブ・イスラエル演劇)によるシンポジウム。問い合わせは明治学院大言語文化研究所(電話03-5421-5213)。

12日午後6時より、京都の元・立誠小学校講堂にて、『ジェニン、ジェニン』、『あなたがいなくなって以来』上映。入場料1000円。13日6時半からは『悲観楽観のサイード』京都公演。入場料2000円。問い合わせは京都地域文化交流委員会(075-755-6327)。

・「第10回」追加情報

2007年1月9日、米イメージ・エンターテインメントからマブゼ博士もののDVD『マブゼ博士コレクション』が出る。1枚のディスクに3作品収録。収録作は『怪人マブゼの挑戦』(1961。監督ハーラルト・ラインル)、『怪人マブゼ博士・姿なき恐怖』(1962。監督ハーラルト・ラインル)、『怪人マブゼ博士・殺人光線』(1964。監督フーゴ・フレゴネーゼ)。